トヨタ 現行RAV4のスピーカー交換です。
今回はご相談を頂戴した時点で当店のお客様より仕様変更に伴い不要となった
コンディションが良好なBEWITHの「B-1300U」を下取させていただき
保有しておりましたのでその旨をご案内しご成約いただきました。
ドアスピーカー交換において基本的にはスピーカー背面の障害物(ウィンドウガラスやレール)と
スピーカー前面の障害物(ドアトリム)の干渉を避けつつ
ユニット自体を強固に固定するために「バッフル」が必要となります。
バッフル制作に当たり用いられる材料としてMDFがポピュラーですが
MDFは木材チップに接着剤として合成樹脂を加え板状に成形したもので
木材のように軽量で高い加工性を持ちつつも木材特有の反りや乾燥割れなどが少なく
均質でリーズナブルな反面、水や湿気に弱く表面処理を行わないと腐食します。
対して白樺耐水合板(通称:バーチ)は単価はMDFと比較すると高価ですが
耐水、耐久性に優れ強度も高いのが特徴です。
当店では経験上、表面処理を施したとしても経年劣化を考慮し
バーチで制作させていただいております。
当店で予め保有している純正スピーカーの外周をトレースした「マスター」を基に制作します。
外周をマスターを用いてコピーし取り付けるスピーカーユニットに則して内周を円形でカットします。
なお、当店で保有しておりますマスターで適合がとれない場合は
その都度、外周の「型」を制作し以後マスターとして保有します。
またバッフルの厚みに関しては上述の物理的な干渉を避けることを大前提としたうえで
+αを考慮して厚みを決定します。
今回は2枚から成る積層仕様ですが背圧によるユニットのストロークを阻害しないよう
ユニット固定面の裏側にテーパー加工を施します。
耐水、耐久性に優れてはいますが更に樹脂などを用いて防水性や耐久性を
向上させたうえで車両側にボルト/ナットを用いてバッフルを強固に固定し
BEWITHの13㎝ウーファー「B-130」へと換装しました。
トゥイーター部もドアスピーカー同様、純正ユニットの外周を模したベースを
制作しますが今回は通常なら上向きになるところを少しでもリスナー側に
向けるべくスラント加工を施しました。
同社の18㎜トゥイーター「B-18」をマウントに固定したうえで
ダッシュ上の純正位置内にて換装です。
カーオーディオのスピーカーはホームオーディオとは異なり
車両のドアをボックス(エンクロージュア)と見立て装着することが
大多数となりますがドアの構造はスピーカーを駆動させる環境として問題が山積しています。
そこでその諸問題を改善すべくドアチューニングとして適材適所に
各種防振、制振、防音、吸音、遮音処理などを施します。
ちなみに今回は施工に際しオーナー様がDIY用でお持ちでしたaudio-technica(オーディオテクニカ)の
キットを活用させていただき各種ドアチューニングを施しました。
施工に際し「施工箇所のクリーニング」、「確実な圧着」、「左右対称に施工」に
留意しております。特に「左右対称に施工」に関してそもそも左右でドアトリムの形状や
純正配線の本数など差異はございますがスピーカーが駆動する環境が
あまりにも違えば出音も左右で当然変わりますので左右ドアを比較しながら施工しております。
全工程が終了しましたら音出し並びにパワーウインドゥやロックなど
車両側の動作確認を行い特に無ければ既設ナビ(今回は純正OP)の
調整機能を活用してサウンド調整を施し納車させていただきました。
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